日本のAVにモザイクがかかっている理由を、刑法175条の条文から確認しました。「法律でモザイクが義務づけられている」と思われがちですが、条文にモザイクという言葉は一度も出てきません。 ではなぜモザイクがあるのか。そして、なぜ無修正サイトは海外にあるのか。
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条文を読むと、よくある説明が正確でないことが分かります。
- 刑法175条に「モザイク」という言葉は書かれていません
- 条文が禁じているのは「わいせつな図画の頒布・公然陳列」
- 何が「わいせつ」かは条文に定義がありません
- モザイクは法律の要求ではなく、業界側の対応として行われています
- だから無修正サイトは日本国外の法人が運営しています
「モザイク=法律の義務」という理解のままだと、なぜ海外サイトが存在するのかが説明できません。
結論:条文にモザイクという言葉はありません
まず条文そのものを読んでください。政府の法令データベース(e-Gov法令検索)からの引用です。
第百七十五条(わいせつ物頒布等)
わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、二年以下の拘禁刑若しくは二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は拘禁刑及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。
2 有償で頒布する目的で、前項の物を所持し、又は同項の電磁的記録を保管した者も、同項と同様とする。
条文が定めているのは「わいせつな図画を頒布・公然陳列してはいけない」ということだけです。
どう加工すればいいかは、一言も書かれていません。
2025年6月1日施行の改正で、刑は「懲役」から「拘禁刑」に変わりました。古い記事は表記が更新されていないので、そこで判別できます。
では「わいせつ」とは何か
ここが核心です。条文に定義がありません。
「わいせつな文書、図画」と書いてあるだけで、何がわいせつに当たるかは条文からは分かりません。具体的な線引きは、裁判所の判断(判例)の領域になります。
「どこまでならセーフか」は、個別の事案ごとに司法が判断してきた問題です。この記事は条文に何が書かれているかの確認までにとどめます。法的な判断が必要な場合は弁護士にご相談ください。
★モザイクは「法律の要求」ではなく「対応」です
条文にモザイクの規定がない以上、「法律でモザイクが義務づけられている」という説明は正確ではありません。
正確に言うと、こういう構造です。
条文: わいせつな図画を頒布・公然陳列してはいけない
↓
問題: 何が「わいせつ」かは条文に書かれていない
↓
対応: 摘発されないよう、性器等を修正して流通させる
↓
結果: 日本国内で流通する作品にはモザイクがある
法律が「モザイクをかけろ」と言っているのではなく、条文に触れないための対応としてモザイクが行われている——という順序です。
「モザイクをかければ必ず適法」という保証もありません。条文が定めているのは結果(わいせつ物を頒布するな)であって、手段ではないからです。
★だから無修正サイトは海外にあります
ここまで読むと、海外サイトが存在する理由が説明できます。
日本国内で無修正の動画を配信すれば、条文どおり「頒布」に当たります。 だから、無修正を扱うサイトは日本国外の法人が運営しています。
あなた自身が国内で再配布した瞬間に、あなたが175条の「頒布した者」になります。
- SNSやアップローダーに上げる → 公然と陳列した者
- 友人にファイルを送る → 頒布した者
サーバーがどこにあるかは関係ありません。行為者はあなたです。
見る側はどうなのか
条文をもう一度見てください。処罰対象として名指しされているのは3つだけです。
- わいせつ物を頒布した者
- わいせつ物を公然と陳列した者
- 有償で頒布する目的で所持・保管した者
1項にも2項にもありません。第2項の所持罪にも「有償で頒布する目的で」という限定が付いています。売る目的のない私的な所持は、この条文の書き方では対象に入りません。
175条は「渡す側」を取り締まる条文です。
こちらは別の法律で、所持そのものが処罰対象です。
自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持した者(中略)は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
— 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律 第七条
「見るだけなら」という理屈が、ここでは一切通用しません。出所の分からない無料サイトが最も危険なのは、この点です。
無修正と国内AVの違いを整理すると
| 国内で流通するAV | 無修正サイト | |
|---|---|---|
| 修正 | あり | なし |
| 配信元 | 国内 | 国外(米国法人など) |
| 175条との関係 | 修正して流通させている | 国外から配信している |
| 見る側の扱い | — | 条文に視聴を罰する文言なし |
同じ出演者・同じ制作でも、修正の有無で流通の仕方が変わります。無修正サイトが「特別に過激な何か」を扱っているわけではなく、修正をしていないという違いです。
安全に使うための線引き
- 保存した動画を外に出さない(SNS・アップローダー・友人への転送すべて)
- 無料アップロードサイトを使わない(年齢確認の仕組みがない)
- 運営元と年齢記録が公開されている正規サイトを使う
条文の引用と、そこに何が書かれているかの確認までを扱っています。個別の判断が必要な場合は弁護士にご相談ください。
よくある質問
法律でモザイクが義務づけられているのですか?
条文には書かれていません。刑法175条が定めているのは「わいせつな図画を頒布・公然陳列してはいけない」ということだけで、モザイクという言葉は出てきません。
では、なぜモザイクがあるのですか?
条文に触れないための対応として行われています。何が「わいせつ」に当たるかは条文に定義がなく、具体的な線引きは判例の領域です。摘発されないよう修正して流通させる、という構造になっています。
モザイクをかければ必ず適法ですか?
そう断定はできません。条文が定めているのは結果(わいせつ物を頒布するな)であって、手段ではないためです。この記事では線引きを断定しません。
なぜ無修正サイトは海外にあるのですか?
日本国内で無修正の動画を配信すれば「頒布」に当たるためです。カリビアンコムなどは米国法人 DTI SERVICES, INC. が運営しています。
海外のサイトなら何をしても問題ないのですか?
違います。あなた自身が国内で再配布した時点で、あなたが「頒布した者」になります。サーバーの所在は関係ありません。
見るだけなら問題ないのですか?
刑法175条が処罰対象として挙げているのは「頒布した者」「公然と陳列した者」「有償で頒布する目的で所持・保管した者」の3つで、視聴を罰する文言はありません。ただし本記事は法的助言ではありません。
児童ポルノも同じ扱いですか?
違います。別の法律で、自己の性的好奇心を満たす目的での所持そのものが1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象です。「見るだけ」という理屈は通用しません。
刑法175条の刑は懲役ではないのですか?
2025年6月1日施行の改正で「懲役」は「拘禁刑」に変わりました。古い記事は表記が更新されていない場合があります。
まとめ
- 刑法175条に「モザイク」という言葉はない
- 禁じているのは「わいせつな図画の頒布・公然陳列」
- 何が「わいせつ」かは条文に定義がない(判例の領域)
- モザイクは法律の要求ではなく、条文に触れないための対応
- だから無修正サイトは国外法人が運営している
- ただし自分で再配布すれば、自分が「頒布した者」になる
- 児童ポルノは所持そのものが別法で処罰対象
「モザイク=法律の義務」という理解では、なぜ海外サイトが存在するのかが説明できません。条文は結果を定めていて、手段は定めていない。そこを押さえると全体がつながります。
守るべき線は単純です。外に出さないこと。出所の分からないものを拾わないこと。この2つだけです。
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